オパとミクロの介護日記Ⅱ

ミクロとタバコ

6月10日のことでした

PM3:00少し回ったくらいに、オパの携帯がぶるぶると震えています

以前ブロ友さんが、この時間帯にかかってくる施設からの電話は、
ろくなことがないと言っていましたが、オパも共感できるんですよね。

こんなときは、まず液晶画面で発信元がどこか確認します。

ケアマネさんだったり、デイサービスの日だとデイからの電話は
身構えてから、通話ボタンを押しています

「もしもし○△です」とオパです

「こちら△◇デイサービス○○と申します」

「大変申し訳ありません・・・」と聞きなれない管理責任者の男性の声でした

その瞬間・・・

オパの心の中に、夏の入道雲のように暗雲がまたたく間に立ち込めます。

「はい」短い相槌を打ち、話の続きを聞きます。

「奥様がタバコを喫煙中に、誤って火のついたタバコを飲み込んでしまいました」

「あわてて、職員が口腔内で取り出そうとしましたが、すでに口の中にはありませんでした」
無言で聞き続けるオパがいます。

「今救急外来へ搬送中です」

「意識は、はっきりしていますが胃洗浄の必要があるかもしれません」

「ご家族と病院で合流して、その後の判断をしていただきたいと思います」

「大変申し訳ありませんでした」

立て続けに説明されて困惑するオパですが

「判りました、○○大学病院救急外来ですね。今からだと1時間ぐらいかかると思います」
と返答しました

「ありがとうございます」とほっとしたような声が聞こえてきます

「ではご主人がこちらに到着するまで、何か変化がありましたらすぐに連絡します」
そして電話は切れました。

ミクロさんのタバコ喫煙の事故は、指のやけどが数回あり

1ヶ月前にはタバコの火の塊が、衣服を貫通して右胸乳房の脇を2CM位の範囲で火傷2度のやけどしています

そして今度は火のついたタバコの誤飲です。

身体的危険度がどんどんと高くなっています。

何が起こるかわからないのが認知症なのでしょうが

そのことを、頭の中では理解できていても、いざミクロさんの身にそれが起こると
理屈では割り切れない、思いがあります。

そんなことをうだうだ考えながら、指示された病院に向かいます

幸いにも、道路は混んでいなかったので1時間弱で到着

見知らぬ大病院の中を、救急外来めざし進みます

救急外来に到着するもミクロさんがいませんが、先ほどの電話のかけぬしらしき人が
一人いました。

「オパさんですね」

「はいそうです」

「奥さんは今診察中ですが、口腔内やけどやニコチン中毒の症状は今のところないので
1時間ほど様子を見て変化がなければ、胃洗浄もしないそうです」

「ただ唇にやけどがありますので、その処置はするそうです」
           途中省略

やがて診察室のドアが開き、看護士さんに連れられてミクロさんがポテポテと
歩いてきます。

とりあえず、ミクロさんの歩いている姿をみて安心しましたよ。

確かに唇は右下唇にやけどによる皮剥けがありました。
見るからに痛そうです。

「オパ、課長さん迷惑かけてごめんなさい」とミクロさん
何度も繰り返し謝っています

そのうち研修から帰ってきた、デイサービスの責任者さま到着

「痛かったでしょうミクロさん・・・連絡が入って急いできたよ」と責任者さま
「迷惑かけてごめんなさい」とミクロさん
2人ひしひしとハグッテました。

オパは、唇のやけどですんだだけで、とりあえず安堵しています。

その後何もなく、胃洗浄は見合わせる事になりまた一つホットしました

「状態観察して異常があればすぐ来てくださいと」
看護士さんから説明があり、帰宅することにしました

デイサービスに寄り、荷物をいただくと、

「夕食を食べていきますか?ミクロさん」と責任者さまからのお誘いに
「はい食べていきます」と答えたミクロさん

「ではご主人の分も用意しましたので、お二人で召しあがってください」と責任者さま

二人で夕食を食べて帰ってきました

危険が一杯のタバコ喫煙・・それでもやめないだろうな。
                 それがミクロらしさなんだろうか
                 大好きなタバコが吸えなくなるときが、やがて来るんだろうなと
                 隣でぼんやりとタバコをすっているミクロさんを見てそう思う   
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# by opaboss | 2009-06-14 14:22

ミクロさんと子ネコの行方完結編

ミクロの行方・・・
子ネコが居なくなってから3週間になります

その間ミクロさんは、ほぼ毎日子ネコ探しにいきます。

デイから帰ってから、多いときには3回くらい子ネコ探しに行きます

ネコ探しを終えてやれやれと思っていると「ネコ探しに行く」と始まります。

あるときは入れ歯も外して寝入る寸前に、いきなり起き上がり
「ネコ探しに行く」となることもありました

またネコ探しと連動して、寝る寸前にお菓子を食べることも少しずつ始まっています。

いずれにせよ介護者オパとしては、もう一山超えなければならない時が
来たような気がしています。

しばらくご無沙汰していた、精神的にきついあの時期がまたやってきたのですね。

さあ・・心してかかりましょう


子ネコの行方
前回の記事に投稿した画像の下の方に、小5長みねと書いてあります
これってダンボール箱飼い主の名前ですよね。
そのことに気づいたオパは、その子が小学校に集団登校する場所を突き止めました

本日その子を待ち伏せ(ある意味危ない行動)して、子ネコのその後を聞いてみました

色々と話していくと、長みねさんの親戚のおばさんが、子ネコを引き取って飼っていることが分かりました
群馬県の親戚と言っていましたから、そこまで訪ねることも出来ませんが
その子の表情や、話のつじつまもあっていましたから、うそは言っていないと確信します。

あの子ネコが、やさしい里親に無事めぐりあえたことを、こころから喜んでいます

そして・・・子ネコとの出会いが、今のミクロが求めていることをオパに気づかせてくれました
今のミクロさんに必要なもの・・・ミクロさんが安心して愛情を注げる対象
それはネコというキーワード


そしてミクロさんの腕の中に、新しい仲間(ネコ)が加わることをミクロさんはまだ知らない
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# by opaboss | 2009-06-05 20:40

子猫のゆくえ

子猫の行方

わたしは・・・・あの子猫の行方がずーと気になっています。

その思いはミクロさんも同じで、デイから帰ってくると
家に入る前に「ネコ見に行く」と1回目の子猫探しに出かけます。

わたしには、もうあそこにあの子ネコは居ないことはわかっていますが
「じゃあ行って見ようか。もしかしたらいるかもね」と罪深い期待を
ミクロさんに持たせています。

「きっといるよオパ」とミクロさん

「いたら家につれて帰るよオパ!いいよね」と子ネコへの思いをぶつけてくる
ミクロさんです。

「そうだね、今度はミルクとか子ネコ用のご飯も全部用意してあるからね」

「子ネコがいたらつれて帰ろう」とミクロの願いを受け止めていますが

もう見慣れた駐輪場の片隅には、古ぼけた車のタイア以外ありません

「ネコいないね」とオパ
「ネコいない」と寂しそうに復唱するミクロさんですが

続けてミクロさんらしい言葉がこぼれてきます
「明日また来ればいるかもね・・・オパ」とね

子ネコとの再会を明日につなげる言葉が、辺りの静けさに妙に溶け込んで
オパの心に響いてきます。

オパもはかない期待をこめて「うんそうだね、ネコ帰ってくるといいね」と返答します。

2週間前に出会った子ネコが二人に、共通の思いを残してくれました。

「もう2度と会えないだろうな」とごみ置き場に座りタバコをふかしている、
ミクロさんの横顔を見つめながら、頭の中で考えています

ふと前をみると・・・
1人の熟年女性が、私たちを怪訝そうな目で見ながら通り過ぎてゆきます

ミクロさんの口元で、小さく光を放っているタバコの火

暗闇のなかでは、一筋の道を導いている光のように、もうあえない子ネコも

私たちの心の中に、決して消え去ることのない小さな輝きとして
いつまでも、生きる続けるでしょう。

さようならそして精一杯生きてね。とってもかわいかった子ネコちゃんへ
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# by opaboss | 2009-05-29 23:36

1年前を振り返る

それは、忘れもしない05年9月21日
場所は、横浜市総合保険医療センター
若年性認知症、我が妻のミクロちゃんの診断が確定された日でした。
2日間に及ぶ検査、初日の検査終了時には歩けなくなり、
生まれて初めて車椅子押しました。
ただうなだれて、車椅子に座っているミクロ。
それを絶望した表情で押すオパ。

ミクロはそううつ病歴20年のベテラン病人です。
何度かピ~ンチとなった時もありましたが、
その度に、ミクロは不死鳥のごとくよみがえり
辛いながらも、必死に生きてきました。
しかし、今回は、とどめを刺されてしまいました。

今にして思えば認知症の兆候は随分あったんですよね
毎日3食うどん生活、外出して家に帰れなくなったこと、
服を着たままシャワー浴びたり、薬の飲み方がわからないと
泣きながら電話してきたこともありました。
だけどオパは、気づきませんでした。
ボケなんて、自分たちには、無縁の言葉だと思ってました。
総合医療センターでの2日間の認知症検査が終わり、ついに、診断結果を聞きに行く日がやってきました。
私は、結果を聞きに行かなくても、まず、間違いないだろうと確信していました。
絶望的な結果を受け入れる、心の準備はしたつもりです。
でも・・・でも・・・もしかしたら健忘症かもしれない、真実から目をそらす自分が居ました。
なんで、ミクロなの?今まで鬱病で散々苦しんできたのに、なんで!なんで!
心が悪あがきしてます、神様をうらんでいます、心がちぎれそうです。
ここから逃げたいです。夢であってほしいと心から思いました。
隣に寄り添っているミクロは、うなだれて静かにリノリュウムの床を見ています。
そっと手を握りました、大丈夫だよミクロ、俺がついてるからね。
心の中で語りかけたつもりです。
でも握り返してはくれませんでした。

診察室に入り、看護士さんがOOの検査がありますからとミクロを、別室へと連れて行きました。
担当の主治医は30代後半のやり手の医師に見えます。
そして、彼の口から、合理的な言葉が吐き出されました。
「ご主人、残念ながら、奥さんはアルツハイマー病です。」
「海馬周辺に年齢不相応な萎縮が見られます」と頭部レントゲン写真を見せながら、淡々と説明します。
そして
「今のところ、アルツハイマー病は、治らない、ドンドン悪くなる、そして治療法はありません」

「ただ、進行を遅らせることは可能です」と駄目押しのごとく、残酷な事実が告げられました

「ですから、これからの奥様の生活の質を、出来る限り高めてあげる事が、もっとも大切だと思いますよ」
とアドバイスはもらいましたが頭の中真っ白です。

希望なんてありません。

気がつけば、果てしない闇の中にいました。・・・続く



上記の文は1年と少し前に書いた物です

かなり追い詰められている自分がいます。
そしてミクロさんも同様に病魔に打ちのめされていたんですね
今、こうして自分の足跡を改めて振り返ると、そのときがどんなに
辛くとも、投げ出さず、頑張ってきて本当によかったと一人感慨にふせっています。

そして、MYブログを訪問してくださった皆様の温かいコメントに支えられて
今日までミクロとともに生きてこれたことを感謝しています。


後記(5月26日PM11時34分記)

実は先ほどまで、ミクロさんに久々のおやつせん妄が出まして、ポタ(おせんべ名)6枚180Kcal+ミニドーナツ6ヶ240Kcal食べてます。

血糖コントロール管理者としては無念の過食です。・・・・久々のトホホ
でもミクロさんは、満足して寝てしまいました。
あちらがたてば、こちらがたたぬ・・・昔の人はうまい事言ったものです。
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# by opaboss | 2009-05-26 23:31

訪問者さまへのおしらせ

初めまして横浜在住の50代前半のごくごく普通の夫婦です

ただ少しだけ違うのは、妻が4年前若年性アルツハイマーと診断されました

この年代でアルツハイマー病のヒット率は3%にも満たない数字です

なんでお前が、俺たちだけが・・・そんな答えのない問答を幾度となく繰り返してきました。

しかしながら、介護を続けるうちに、それでも私たちは生きなければならないとことに気づいたのです。

私のテーマはともに楽しく生きることです。

オパにとって楽しいとは・・・気づきから導かれるミクロへの対応法が発見されて
ミクロさんが少しでも安心に暮らせることが、満足感であり介護する喜びでもあります。

年数とともに身体的と精神的に変化してゆく認知症・・・介護する側も随時変化対応しなければ
やがて行き詰まるときが来るでしょう。

オパはその行き詰まったときが、看取りの時期でありたいと思っています

それまでは在宅で頑張るつもりです

どうか皆さんの暖かいお力アドバイスをお貸しください。


文中のオパとは私のニックネームで、子供が小さいときに私のことを「おパパ」と呼んでいました

ミクロは妻のニックネームです。
小柄でスレンダーな女性ですから大学時代小さいということで、ミクロと呼ばれていました。

唐突な出だしから始まったブログですが、某ヤ○ーで1年前より妻への思いを綴っています
よろしければこちらにも訪問してくださいね。

http://blogs.yahoo.co.jp/aopa0313
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# by opaboss | 2009-05-24 10:25



若年性アルツハイマー病の妻と生きる
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